NHK夜ドラ「ここは今から倫理です」第一話 感想と紹介!(ネタバレあり)

こんばんは、教習所の授業で自動車事故例のビデオのたび、ビクビクしておりますうめこです。


さて、以前に漫画をご紹介したことがありましたが、うめこの大好きな「ここは今から倫理です」NHKでドラマ化されました!!

⇒倫理とは、生きるための勉強。うめこ的に今年一番のヒット漫画『ここは今から倫理です』(雨瀬シオリ 集英社)感想※ネタバレあり

 
ここは今から倫理です。 1 (ヤングジャンプコミックス)


30分の枠なのですが、これが丁度いいんですよね。なので、これは是非プッシュていきたい!ということで紹介とうめこの勝手な感想を綴っていきたいと思います。
あ、ガッツリネタバレを含みますので、「これから楽しみにしてるの!」っていう方は注意してくださいね。


1話は漫画と同じ。これがかなり性的な題材を扱っていたので、うめこは「内容的にドラマ一話は別の話になるのか、内容を変えるのか」と予想しておりました。しかし、NHKさん頑張った!しっかりと高校生の性に踏み込んで、漫画にほぼ忠実になっていましたね。ストーリー的に重なる漫画の三話「♯3 理想の先生」と組み合わせてありました。 生徒が突然視聴者に向かって語り掛けるメタ的演出が面白いですね!

登場人物の役者さんによる再現率もなかなか!あのミステリアスな雰囲気が実写で観られるとは思いませんでした。

主人公は高校の倫理教師である高柳先生なのですが、毎回違う生徒たちに焦点をあてて、ストーリーが進んでいきます。

第一話は「喜んでもらいたい」「嫌われるのが嫌」という気持ちで男性に体を許してしまう逢沢いち子と、「いじめられっ子に寄り添える先生になりたい」と希望する谷口恭一のふたり。冒頭からいち子が空き教室で性行為をしているという衝撃的な始まりです。

性的同意とは? 

いち子のテーマは「性的同意」について。余談ですが、これ、日本と欧米で法があまりに違うということで度々話題になるやつですね。調べるほど、「やばい国に生まれてしまった」と思いますよ・・・

こちらの記事がとても参考なりました↓

⇒朝日新聞Disital (フォーラム)性的同意とは?

「刑法は、意に反する性交のすべてを処罰するものではない」という恐ろしい言葉を吐いたのは、名古屋で行われた父親から娘に対する性的虐待の裁判において、父親を無罪にした裁判官でした。後にこの裁判は二審で逆転有罪となりました。

方や、イギリスでは性的同意についてこんなわかりやすい動画を警察が発信しています。

 うめこさん、いかんせん英語力が壊滅的なのですが・・・

頑張って頑張って要約すると

「性的同意について、紅茶に例えるとわかりやすい。

紅茶を勧めてみて、相手が「いるいる!」と答えたなら紅茶を注いであげましょう。 =合意

または、勧められた紅茶に対して「no」とははっきり言われなくとも、

「うーん、うーん、どうしようかな~」という相手には無理に紅茶を飲ませたりしませんよね  =合意でない

「Yes!Please!」と相手が言った時のみ、同意ですよ。沈黙や曖昧さは同意でないですよ、ということだろうと。

この考え方は「自発的な参加の意思(意思を明確化した言葉、文言、または両者の自由意志による積極的な行動のこと)」=「Yes」がなければそれは性犯罪であるとみなすスウェーデンの“Yes mean Yes”法にも通じます。

あと、余談が長くなって申し訳ないけど本当に本当にうめこがショックを受けたのは、日本での「性的同意年齢」なんです。これは「性的行為に対して、同意する能力があるとみなされる年齢」で、つまり「性的行為について理解をしていて、かつ、自分でそれを受け入れるか拒否するか判断能力がある年齢」ということですね。つまり、この年齢以下なら同意の証明がなくとも、性行為自体がアウトであることになります。

これ、皆様、いくつだと思います・・・?

まず外国から紹介していきますと、前述のスウェーデンとフランスは15歳イギリス・カナダ・韓国は16歳。

そして、日本はなんと13歳!!!

これは先進国の中でも際立って低く、国連にも「どうにかせい」と勧告を受けているらしいですよ。

性犯罪に関しては法そのものが未成熟な日本ですから、国が守ってくれないのなら一層男女関わらず、個人個人が自分自身を守るという意思と、そのための知識を身に着けていかないといけませんね・・

すみません、かなり脱線してしまいました。

さて、高柳先生を誘惑しようとしましたが「あなたには“教養がない”」けんもほろろに断られたいち子。その言葉が刺さったのか、柄にもなく図書館に足を踏み入れます。ここで、同じ倫理の授業をうけている谷口と先生の紹介した本を取り合うことに。

その後、いつものように体を求めてきた男友達に対して、いち子はとうとう「あたしは安女郎じゃない!」と要求を撥ねつけます。高柳先生に花魁の話をされて、吉原について調べたもよう。教養は早速いち子に「自分を安く扱わない」とういう自尊心を育てたのだということがわかりますね。

うめこは教育とは「生きている世界のしくみを知ること」「健全な自尊心と、自己肯定力を育てること」であると考えています。

さて、離れていくいち子を男友達は強引にこちら側に引き留めようとして、とうとう暴力によっていち子を従わせようとします。それを目撃した谷口に連れられて、間一髪のところで現場に踏み込んでくる高柳先生!

ここで「合意ですか?」と先生がいち子に対して問いかけます。

やっとのことで「ちがう!」と答えるいち子。

無言での拒否は法律で認めてもらえない日本に住んでいる私たちですから、これはとても大切な言葉です。この「ちがう」という言葉があってこそ、やっと周りも助けの手を差し伸べる権利を得るのですから。

ただこの舞台は令和の高校ですから、助けるといっても高柳先生は殴ってくる生徒に手を出すことはできず・・・先生って大変すぎませんか!?

こちらが手を出せないなら、せめて相手が生徒だろうが保護者だろうが、暴力に対してはサクサクと通報できる仕組みがあるといいのですが。

無事に助け出されたいち子はとうとう「先生が好き」と告白してしまいます。それに対してサラリと「愛こそ貧しい知識から豊かな知識への架け橋である」というマックス・シェーラーの言葉を引用する高柳先生。いち子の告白を受け入れはしなくても、「倫理の授業で会いましょう」と告げることで生徒としては受け入れる、というやさしさが伝わります。

いじめっ子といじめられっ子 

続いて、今度は「いじめられっ子を助ける先生になりたい」谷口のターン。いち子を保健室に届けた高柳先生に、何故自分が教師になりたいのか、いじめられてきた自分だから同じ様に苦しむ生徒に寄り添える大人になりたいと熱く語ります。

そんな谷口の理想に対する高柳先生の答えは「自分がいじめっ子だったら、助けてはくれないですか」という意外なものでした。

自分の中で「いじめっ子」「いじめられっ子」を明確に判断していくと、いつかいじめっ子と認識した人をいじめてしまうのではないか、という鋭い指摘でした。

これを聞いた時、うめこは『ミステリと言う勿れ』(田村由美 小学館)という漫画の中にあった言葉を思い出しました。この漫画も鬼おすすめです。

 
ミステリと言う勿れ 1 (フラワーコミックス α) [ 田村 由美 ]

外国ではいじめられっ子ではなく、いじめっ子にこそ問題があるとしてそちらのケアを重視するという内容でしたが、たしかに人に危害を食わえる人の方が抱える闇ははるかに深いだろうと考えられますよね。ついついいじめられっ子へのケア(もちろん、これも大切です!)と、いじめっ子へのを考えてしまううめこの凝り固まった考えを、壊してくれたエピソードでした。

高柳先生の言葉に、谷口も今までの常識をひっくり返されたような気持ちになったのではないでしょうか。

さて、第一話の感想と紹介はこの辺で。

第二話はメインとなる生徒がガラリと変わります。うめこが漫画の中で好きなエピソードなので、とっても楽しみです。

ではでは。

 
ここは今から倫理です。 5 (ヤングジャンプコミックス) [ 雨瀬 シオリ ]

 

第二話感想はこちら!

→「不安とは、自由のめまいであるByキルケゴール」NHK夜ドラ「ここは今から倫理です」第2話 感想と紹介!(ネタバレあり)

                                                                                                                           

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