好きなものを伝えるのって結構大変!ドラマ『トクサツガガガ』あらすじと感想

こんばんは、うめこです。
突然ですが、みなさま、何か好きなものはありますか?
つまり、「何かのオタクですか」ってことです。

うめこは漫画が大好きなのですが、だからと言って初対面の人にはあまり大っぴらには言わない質です。まずは「読書が好きです」からですかね。そして、ここで相手の出方次第で「漫画もわりと…」ルート、相手によっては「小説なら海外ものが…」と言う風にルートが分岐していきます。

しかし、ここで相手も漫画好きだからと言っても油断はできません。相手のディープさもちゃんと探って、こちらの手の内を明かさなければなりません。
「何の漫画が好き?」と聞かれたら、うめこの場合まずは無難なラインを必死で探します。いきなり「中間管理職利根川です」「闇金ウシジマくんです」「岡田あーみんです」とは言えません。相手が知らなくて、解説する羽目になろうものなら、いやな汗をかきそうです。

2019年現在ですと、最初に言うのは

「キングダム」最強ですね。

映画化なさってると、認知度があるから引かれず、次の会話に繋がりやすいです。「キングダム」以前は長いこと「宇宙兄弟」でファーストステップを踏ませていただいていました。実際、どちらも大好きですよ!

もしも「ミュージカル」好きの探り合いになったならば、「劇団四季派もしくは東宝派」なのか、「ブロードウェイの話をしてしまっても引かれないのか」「ウィーンミュージカルもイケる口なのか」「まさかのソンドハイムOKなのか」などの真剣勝負となります。

すみません、枕が長くなりすぎました。

今回解説したいドラマはNHKドラマ『トクサツガガガ』。元々原作の漫画も読んでいたのですが、ドラマがもう本当によかったんですよ!NHK の本気を見ました。

 
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あらすじとしましては、特撮オタクのOLが周りには必死でオタクなことを隠しつつ、趣味仲間と出会い、自分の好きなものに誇りを持てるようになってくる…という感動ストーリーです。

この、オタクを隠す大変さと、話ができる仲間と出会ったときの嬉しさが、本当に巧みに描写されてるんですよー!

キャストは
小芝風花
倉科カナ
木南晴夏
松下由樹
竹内まなぶ
皆とっても合ってました。特に、木南さんは本当に良かったです。漫画の再現度がすごかった。先ほどNHK の本気と言いましたが、この本気、主人公の好きな特撮ドラマをガッツリ造り上げているレベルなんです。

商社勤めのOL・仲村 叶(小芝風花)は特撮をこよなく愛する隠れオタク。
仲村の母親(松下由樹)は、女の子らしさを好み、特撮のことを嫌っている。それゆえ母はもちろん、職場の同僚たちにも特撮オタクであることは一切秘密だ。そんな仲村は日々の生活の中でさまざまなピンチに陥る。「ど、どうすれば…」。すると、突然、仲村の脳内が特撮モードに切り替わり、彼女にしか見えない特撮ヒーローが現れ、彼らの言葉に勇気づけられた仲村は、次々にピンチを切り抜けていく。


ドラマ『トクサツガガガ』公式ホームページ ものがたりより引用

うめこの漫画の探りあいじゃないですけど、自分の好きなものを「好き」って言うのは結構大変なことですよね。相手の反応次第では、自分の全部を否定されてしまうような気にすらなってしまいます。でもそんなリスクもあるからこそ、逆に共感してもらえたときの嬉しさもひとしおですね!

結局、「女らしく」って何なの?

さて、このドラマではたびたび主人公が母親から「女の子らしく」という言葉で攻撃されます。

小さい頃から特撮が大好きだった主人公は、母親に叱られてしまうので、こっそりと密に楽しんでいました。お兄ちゃんが味方だったのはかなりの救い。しかし、ある日それが知られてしまい、学校から帰ると母親が大切な特撮雑誌を焼いているところに遭遇してしまうのです!ここが本当に辛い。好きなものを母親に否定されるのも十分辛いのに、それを焼かれてしまっているという……!

ていうかですね、お母さん、それ、うめことしては立派な虐待であり、暴力だと思いますよ。身体的に何かをしているわけではないですけど、「好きなもの」への批判は、その子の心を批判しているようなものですからね。そりゃ、その対象が暴力だったり、差別だったり、他者への危害を伴うものでしたらちゃんと言い聞かせることは大切ですが、このお母さんが主人公の趣味を拒否している理由は言ってしまえば「自分がなんだか嫌だから」ですもんね。「女の子らしくないから」は論理的な理由には決してなりませんよ。

そうしてずーっと特撮には触れずに気持ちを押し込んできた主人公ですが、ふとした時に古い特撮のビデオを買い、自分の「好き」を思い出します。やがて就職して独立し、趣味ライフを満喫して今に至る…と。

基本的にはコミカルで気楽に楽しめるドラマなのですが、ちょいちょい主人公の過去のような心を抉られるようなシーンが挿入されるので、油断できないんです。

うめこは倉科カナさん演じる特撮友達と仲良くなる話ですとか、木南さんと絡む話なんかがお気に入りです。女の友情を手厚く描いているのも、このドラマの良いところなんです!カラオケ回なんて最高!うめこは「お仕事上の二次会カラオケ撲滅委員会」会長ですが、心許せる人とのカラオケは本当に大好きです。

あと、独り身女として大変共感したのが、職場で残業をしなくてはならなくなった時、誰を優先して帰らせるかという議論になる場面でした。まあ、こういう時、独り身は肩が狭いです。「死ぬほど帰りたいけど、率先してやらなくては…ならないのかな?」って心がざわつくんですよね。ここでは、「彼氏とのデート」がある女性を帰してあげようよという流れになったのですが、主人公は「特撮の録画を楽しく消化したい」という理由は果たして「彼氏とのデート」に劣るのか?自分にとってはとても大切な時間なのに……!と自分の中で葛藤します。もう、主人公の叶ちゃんを抱き締めたくなりましたね。果たしてその人の大切な時間に、優劣はつけられるのか?とっても深い問いかけだと思います。

木南さんの出てくるエピソードではオタクを隠すかべきか?オープンにするかべきか?の問題も取り上げていて、とっても興味深いのです。うめこ個人としては、興味のないだろう人に濃い話をぶつけてしまうのはどちらにとってもツラいの気がするので、隠す派です。そして、ふとした時に仲間の匂いがしたら、冒頭のルート分岐を繰り返して、やんわりと話していきますね。

ドラマ『トクサツガガガ』は全7話。「わかるわかるー!」って頷きながら視聴できるドラマです。もちろん、うめこのように特撮自体には興味はなくても「オタク」心がわかれば十二分に楽しめるドラマだと思います!



ではでは。


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