本日は8月9日。映画『母と暮らせば』(吉永小百合・二宮和成主演)ご紹介。

 
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こんばんは、うめこです。暑すぎる日が続いていますが、みなさまお元気でしょうか。

今日は8月9日ということで、長崎の原爆に関する映画をご紹介したいと思います。

2015年公開の山田洋次監督作『母と暮らせば』(主演 吉永小百合・二宮和成)でございます。

戦争映画ということで悲しい話をご想像する方が多いでしょうが、まあ、もちろん泣きますよ。公開当時、友達に勧めてもらったドラマ『流星の絆』で二宮和成にハマってしまったうめこは、いそいそと映画館に観に行って、結果周りの客を気にしつつも泣きまくってしまいましたよ・・・。

ただし、しんみりだけでなく母と息子のコミカルなやり取りも沢山あり、主演二人の魅力の詰まったとてもいい作品でございます。二宮の恋人役の黒木華さんもとっても素敵。何よりも、吉永小百合さんの着物での所作の美しさ、キュンとしてしまうぐらいの可愛らしさにあふれていて、誰でもサユリストになってしまうのではないでしょうか。

1948年8月9日。長崎で助産婦をして暮らす伸子の前に、3年前に原爆で亡くしたはずの息子・浩二がひょっこり現れる。「母さんは諦めが悪いからなかなか出てこれなかったんだよ」。その日から、浩二は時々伸子の前に現れるようになる。ふたりはたくさんの話をするが、一番の関心は浩二の恋人・町子のことだった。「いつかあの子の幸せも考えなきゃね」。ふたりの時間は、奇妙だったけれど、楽しかった。その幸せは永遠に続くようにみえた―。

TOHOシネマズ 『母と暮らせば』紹介ページより引用

劇作家・井上ひさし氏が生前構想した広島・長崎・沖縄それぞれの悲劇を描いた物語を、その意思を引き継いだ劇作家や監督の手によって舞台や映画として製作されたのが「戦後“命”の三部作」。広島の原爆を描いた作品は『父を暮らせば』、沖縄の部は『木の下の軍隊』という題名でそれぞれ映画化・舞台化されています。

その三部作のうち、『母と暮らせば』の対となっている作品が黒木和雄監督作・映画『父と暮らせば』です。主演は宮沢りえと原田良雄。

 
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題名がほぼ同じじゃん・・・と言われてしまいそうですが、こちらの作品も頭が痛くなるぐらいに泣きましたよ、うめこさんは。こちらも本当に素晴らしい作品でした。ラストが意味深すぎて、いまだにうめこの中では消化しきれていませんが。

この二つの作品は、井上ひさし氏の構想が元になっているだけに舞台を強く意識した作り方をしているように感じました。

余談ですが、演劇規則の一つに「三点一致の法則」というものがあります。これは古典的なギリシア悲劇ものなどではよく守られているのですが、演劇作品においては「場所の一致」「時間の一致」「筋書きの一致」を守るべしという古典演劇の規則のようなものです。筋書の一致はともかく、一つの場所で、時間は一日で、という厳しい法則ですので、きっちり守るとかなり物語が制限されてしまいます。現代演劇では考えられませんね。しかし『母と暮らせば』は映画では珍しく基本的に親子の家の中で話が進んでいきますので、うめこはこの映画を観たときに「場所の一致」というこの法則を思い出しました。

『父と暮らせば』は生き残った娘を父親の幽霊が励ましていくという物語でしたので、まだ希望を感じることの出来る作品でした。しかし、その対である『母と暮らせば』は亡くなった息子と生き残った母親という逆の構図。本当に胸をぎゅっと掴まれるような母親の悲しみと苦しさが全編に渡って流れていました。

この映画のラストについてはハッピーエンド・バッドエンドどちらとみなすのかは人によっては解釈が分かれるかもしれませんが、うめこはハッピーエンドだと思っています。

あまり、物語については触れないでおきましょう。

長崎の原爆という悲劇をベースにした作品ですが、ここで描かれているような戦争という大きなうねりの中で人々が一日一日必死に自分を保って生きていく姿にこそ、うめこは本当に胸を打たれます。前述したとおり、役者さんも素晴らしい!多少泣く覚悟は要りますが、本当におすすめの作品です。

ではでは。

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