
こんばんは、冷房の調整で日々悩んでおりますうめこです。
ものすごーく更新に間が空いてしまいました・・・お恥ずかしい。
さて、前回はモラハラについて親子関係に焦点を当てて考えていきましたが、
今回は≪カップル・夫婦編≫!
え?カップルって表現が古い?
うめこさん、今回はとっても題名に迷いました。最初は≪男女編≫として記事を書いていたのですが、「いやいや、無限の組み合わせがあるしなー」ということに気が付き、あんまり最近使わないと思いつつも、この言葉をチョイスいたしました。
さて、今回は「モラハラをする人は何故、あえて人を傷つける手段を選んでいるのか?」というところも掘り下げていきたいなと思います。
それって対等な関係ですか?相手と対話、出来てますか?
例えとして、カップルでこんな会話があったとします。

あんたがモタモタしていたから、電車の時間に間に合わなかったじゃない!
どうしてくれるの?!

ごめんね・・・
でも、そもそも君の投げたコーヒーカップを片付けてたんだよ?

私のせいにするの?
私をイライラさせたのはやっぱりあんたじゃない!
夜のうちに片付けてって言ったのに、カップを出しっぱなしだから!
もしくは、こんな会話。

確かにお前を殴ったのは悪かったけどさ、
それだけ俺を怒らせたお前にも相当責任があると思うよ。
お前がちゃんとしてれば、殴ったりしないんだから。
いわば、外で苦労しないように教えてあげているんだよ。

うん・・・私、ちゃんとしなくちゃね
頑張るよ
こんなのも。

あなたのこと、何でもできる理想の人だと思ってたのに!!
ぜーんぶ嘘で、私をだましてたんだ!
最低!

俺だって、ミスしたり、間違ったりすることもあるよ・・・
別に万能じゃないよ・・・
書いていてうめこも嫌~な気持ちになったこれらの会話。
モラルハラスメントをイメージしたものですが、これらはあくまで「会話」であり、どう考えても前回うめこが協調した対等な相手同士の「対話」ではないですよね。
これらの会話のキーワードとなるのが「原始的防衛機制」という理論なのです。
まずは「防衛機制とは何ぞ?」から

「原始的防衛機制」の説明を始める前に、まず知っておきたいのは「防衛機制」。ざっくり説明しますと、この「防衛機制」というのは1900年前後にオーストリアのフロイト(Sigmund.Freud)が提唱した精神分析という理論の中に記されている考え方で、
人が外界に適応するために、自分自身をなだめる手段として作り出した心の機制が防衛機制である。
『精神保健福祉士援助演習(基礎)』編者・坂野憲治・福富律・森山拓也 株式会社弘文堂 31頁より引用
うむ、よくわからんですね。
もっと砕けて例を挙げて説明しますと、

あの大学に落ちちゃった・・・・
でも、あそこは就職率も良くないみたいだし、教授もパッとした人はいないし。
これで良かったんだ。そうだそうだ!

狙ってた洋服が売り切れてた・・・
でも、あの服ってよく見たら裾が長すぎるし、
私には合わなかったよ。
これって本当によくあるシチュエーションだと思いませんか?少なくとも、うめこさん、たまに自分を言い聞かせる時に使ってしまっている気がします・・・
「得られなかった・思い通りにならなかった何か」を「自分の中で価値が下げること」で、心の安定を保つ方法・数ある防衛機制の中のひとつ「合理化」repressionと言います。
イソップ物語の「すっぱい葡萄」がまさにこれ!!
こんな風に、自分の中の納得出来ないことや認められない事、真正面から向かい合うのが辛いことをやり過ごすために、心理内で行われる心の防御策ってところでしょうか。
お次はもっと高度な防衛機制

彼女に振られてしまった・・・
悲しい。この気持ちをどうしたらいいんだ。
そうだ、こっそりとこの気持ちをポエムにして、気持ちを落ち着かせよう!

ああ、何だかわからないけどイライラする!
とにかく、この気持ちをピアノを弾いて表現するわ!!
これは「昇華」sublimationと呼ばれる種類の防衛機制で、心のモヤモヤ・イライラを文章や音楽、美術等の表現にぶつけることで解消しようとするとっても成熟した手段と論じられています。うめこ的つけたしをしますと、成熟した手段と言えるのは「これらの表現で人を傷つけることを目標とせず、あくまで自分の中で納めるために行っているもの」が昇華にあたるのかなーと思います。
SNSで人の悪口を書きまくって憂さ晴らし・・・というのは昇華ではありませんぞ。
他にも防衛機制の種類としては
「置き換え(代理満足)」displacement・・・ひとつの欲求が満たされないとき、他の手段で満足すること。

仕事がうまくいかなくてムシャクシャしてたけど、
思いっきり走ったらすっきりした!
「反動形成」reaction formation・・・本心を隠したいと願うあまり、それとは違うことを行ったり、言ったりすること。

花子ってまじで嫌い!近寄んな!
(本当は・・・大好き・・・)
等がございます。
うめこが心理学って面白い!と思う理由のひとつに、こうした「あるある!やってる!」っていうごく日常の現象に結構偉そうな名前がしっかり付けられて、分類されているということ。
さて、長々と防衛機制について説明してしまったので
「てゆーか、カップルとモラハラはどうした」って感じですね。
これから「何故モラハラの人は人を傷つける手段を使うのか」を考えていきます!
本当だったら使うのは赤ちゃん時代まで!? 原始的防衛機制とは

原始的防衛機制は、精神分析の一派である対象関係学派が、生後1歳までの幼児が環境に合わせて形成する防衛機制として分類した。これらの機制は成長とともに主な防衛機制へと変更されるが、成人にも原始的防衛機制を使用している人は珍しくない。しかし、これらが中心的な防衛手段となると、人間関係の大きな阻害要件となる。
『精神保健福祉士援助演習(基礎)』編者・坂野憲治・福富律・森山拓也 株式会社弘文堂 32頁より引用
最初に提示したモラルハラスメント的な3つの会話。
それらにはこの原始的防衛機制に当てはまるんです。
ああ、残念・・・
つまり上記の説明は、
本来なら成長と共に達成していくはずの心理的課題を乗り越えられなかったとき、
赤ちゃんのころに獲得した幼稚な手段をずーっと引きずって使い続けてしまう・・・という恐ろしい理論です。
先ほど解説した「防衛機制」にはいくつかの分類がありましが、原始的防衛機制も同様です。
その中でも、特に!
カップル間でのDVやモラルハラスメントの場面で目立つとうめこが感じるのが
「投影性同一視」projective identificationです。
もう一度、さっきの会話を振り返ってみましょう。

私のせいにするの?
私をイライラさせたのはやっぱりあんたじゃない!
夜のうちに片付けてって言ったのに、カップを出しっぱなしだから!

確かにお前を殴ったのは悪かったけどさ、
それだけ俺を怒らせたお前にも相当責任があると思うよ。
お前がちゃんとしてれば、殴ったりしないんだから。
いわば、外で苦労しないように教えてあげているんだよ。
モラハラさん達のこのセリフ。
見事に自分の感情の発生原因をお相手に押し付けてしまってますね。
そもそも、大前提として
「自分の感情・行動は、全て自分から発生するものである」
ということをモラハラさんはわかっていません。もしくは、なんとなく感じていても認めようとしません。
ただ、「イライラ」や「人を殴ってしまう行動」があまりよろしくないということはわかっているため、それらのネガティブな一面を全て他者のせいにしてしまっているという心理構造なのです。
前回の「その人間関係、あなたにとって毒になってない? ≪親子編≫ ~あなたの後ろにもいる!モラハラさんから身を守る②~」でうめこの持論として、
「ハラスメントは人が人をコントロールしようとすることで発生する」
と述べましたが、この投影性同一視を自己防衛の手段としている人と日常的に接していると、「実は日常にあるモラルハラスメント ~あなたの後ろにもいる!モラハラさんから身を守る①~」でうめこが心底ぞっとした体験にあるように、「どんなに理解不能・納得がいかない主張でも、閉ざされた環境下で繰り返されるとじわじわと自分の中に入り込んでくる」ような現象が起こってしまこともあると思われます。

そのことをモラハラさんが巧に利用して、コントロールの手段としていたのなら・・・そのメカニズムを理解することが、DVやモラルハラスメントで悩む時間から脱出するのに役立つのではないかとうめこは考えます。
この記事で考察したのはあくまでもその一部分でしかないと思いますが、「なんでこの人はこうも理不尽に自分を攻撃してくるのだろう」と思った時、自分を責めるだけではなくて「もしかして、あの人、赤ちゃん時代のやり方を引きずっちゃってる・・・?」と考えてみるだけでも、ちょっと冷静になれるかもしれません。
ではでは。
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