世界史がちょっと身近になる!おすすめ歴史漫画ベスト3

こんばんは、日本史も世界史も疎いうめこです。

今回はそんなうめこでもビビらずに楽しめた歴史漫画をご紹介したいと思います!どれもうめこの大好きな、自信をもっておすすめできる作品です!

セリフは名言だらけ『ヒストリエ』岩明 均 講談社

 
ヒストリエ(1) (アフタヌーンコミックス)

まずは大御所・岩明均先生のヒストリエです。超名作『寄生獣』の作者です。

舞台は紀元前のギリシャ・ローマ・マケドニア。教科書でも出てきたアリストテレスが活躍した時代でもあります。

『寄生獣』で世を震撼させた岩明均氏が漫画家としてデビューする前から温めていた物語、それがこの『ヒストリエ』。舞台は紀元前、後にアレキサンダー大王の書記官となるエウメネスの波乱に満ちた生涯を描いた歴史大作だ。
蛮族スキタイの出身でありながらそれを知らず、都市国家カルディアでギリシア人養父母に育てられたエウメネスは、ギリシア的教養を身につけることとなる。ある日養父が殺され、自分の出自を知ったエウメネスは奴隷の身分に落とされる。それが、彼絵の波乱に満ちた旅の始まりだった!

公式サイトより あらすじ引用

あらすじを読むと「ちょっとお堅い?」と尻込みそうなんですが、重厚なテーマとはいえ、とてもわかりやすい軽いセリフで語ってくれるので、ご心配いりません。そう、寧ろかなり会話は砕けていて面白い!

 
ヒストリエ2巻【電子書籍】[ 岩明均 ]

例えば幼いころの主人公エウメネスが友達に歴史を語るシーン。古代ペルシアとメディアの戦いにて、メディア王をその臣下ハルパゴスが裏切る張りつめた場面での会話です。

「ハルパゴス殿!陛下より速やかに劣勢の敵を殲滅せよとのご命令です!」

「ば~~~~~~~っじゃねえの!?」

『ヒストリエ』第1巻 岩明 均 講談社 184頁より引用

軽く説明しますと、臣下ハルパゴスは以前メディア王に騙されて息子の肉を食べさせられるという陰惨な目にあっています。ずっと復讐の機会を狙っていたハルパゴスの裏切りのセリフが、これというわけです。

特にうめこが気に入っているのがギリシア出身の主人公が、マケドニアの異文化に触れて驚く度に言う

「文化がちがう!」

という言葉。

これが、シンプルだけど凄くいい!「ちがう!」と言っていても、そこに「いい」「悪い」ですとか、どちらが上で下ですとか、そういう意味が混じっていないんですよ。ただ、違うだけ。

シンプルだけど、うめこは中々この認識の仕方が出来ないなあと反省することが多いです。

最初から「すっげー」「かっこいい」と尊敬できるならまだいいですが、自分のフィルター越しですと、下手すると「うちの地元(国)のが上!」とか「だっせえ」とか、うちと違う→マイナスになってしまうこともあります。
『ヒストリエ』の主人公のようにストレートに「ちがう」ことをまず認めることはとっても大切なのかなーと思いました。 別の土地の別の文化に触れたとき、理想としてはまず安易に自分のフィルターを通さずに「ちがい」をきちんと見つめたいものです。

公式ホームページ⇒ここから、一話無料で読めます。

ただし、かなり残酷なシーンのある作品です。そういう描写が苦手な方は注意してね!

最後に、そんな名作歴史漫画『ヒストリエ』の欠点をひとつだけ。

ものっすごく新刊の出るペース遅い!!のです。

うめこの手元にある初版本第一巻は2004年刊行。そしてつい最近、最新刊第11巻が出ました。・・・岩明先生、せめて、一年に一冊ペースでお願いします。

 
ヒストリエ(3) (アフタヌーンコミックス)

あのシェイクスピアは7人の合作だった?!『7人のシェイクスピア』『7人のシェイクスピア NON SANZ DROICT』ハロルド作石 講談社

次は1500年代のロンドンを舞台にした漫画『7人のシェイクスピア』。タイトルが全てを語っていますね。あのウィリアム・シェイクスピアの作品は実は7人の人物が知恵を出し合って創作していた!という面白い発想の作品です。


7人のシェイクスピア NON SANZ DROICT1巻【電子書籍】[ ハロルド作石 ]

超余談ですが、シェイクスピアの誕生した年と没した年を覚えるとってもいいごろ合わせがあるんです。

1564年 ヒトゴロシ 1616年 イロイロ

すみません、うめこの大好きな作家・阿刀田高さんからの受け売りです。でも、劇中の中であらゆる殺人を描いたシェイクスピアのことですから、不穏ながらにぴったりだと思うのです!テストには出ないと思いますが、すぐに覚えられますよ。

この作品はまず第一部『7人のシェイクスピア 』で主人公ランス・カーター(後にウィリアム・シェイクスピアを名乗る)とその友人ワース・ヒューズが故郷ストラトフォードを離れるエピソードが語られます。そして、故郷を捨てた二人が次々と仲間を得てロンドンで劇作家として名をあげていくのが第二部『7人のシェイクスピア NON SANZ DROICT』。

作中にシェイクスピアの有名な作品が登場するのは第二部からとなります。

もともと、シェイクスピアはその作品の中にあまりに多岐にわたる専門知識がちりばめられていることから、複数人で成り立っていた名義だったのではないか?という説は唱えられていたそうです。そこを真正面から描いてみせたのが、この作品というわけですね。

 
7人のシェイクスピア NON SANZ DROICT(8) (ヤングマガジンコミックス)

7人はそれぞれの理由から集っていきますが、得意分野を生かして一つの作品を一緒に作り上げていく様子はとっても爽快なんです!

簡単に紹介しますと、

・美しい詩編を担当する少女

・歴史や宗教、文化の知識に長けたカトリック司祭

・書籍についての知識があり、元ネタを提供する本屋

・元の物語を舞台化を意識して改変することを得意とする少年

・音楽担当の女性

・役者としては3流だが、演出や大道具のアイディアに長けた青年

・役者でもあり、表舞台でのシェイクスピア=主人公

この各分野に特化した7人のメンバーに、チームを経済的に支える商人が加わって、「天才ウィリアム・シェイクスピア」を創り上げていた、という話です。

「マクベス」「ヴェニスの商人」「リチャード三世」などがシェイクスピアの美しい詩編と共に掘り下げられていくので、作品を知っている人も知らない人でも充分楽しめると思います。また、カトリック教徒の迫害とイギリス国教会についても触れられていて、当時のイギリス史についても知ることが出来ます!

文学と文学合わせて楽しめるお得な作品ですね。

歴史考証の綿密さがハンパない!歴史の悪役を再発見する『チェーザレ 破壊の創造者』惣流冬実 講談社(監修 原基晶)

テレビドラマ化もされた『MARS』で知られる惣流冬実さんの歴史漫画です。舞台はルネッサンス真っ盛りのイタリア・ピサ。サピエンツァ大学に編入してきた青年アンジェロの視点を通して、名門貴族ボルジア家・チェーザレの生き様を描きます。

 
チェーザレ 破壊の創造者1巻【電子書籍】[ 惣領冬実 ]

まず、この作品のすごいところは歴史考証が尋常じゃないところなんです。

ルネサンス史上最も美しい英雄、チェーザレ・ボルジア。

レオナルド・ダ・ヴィンチが惹かれ、マキァヴェッリが理想とした伝説の英雄、チェーザレ・ボルジアの物語。累計120万部突破の大ヒット歴史漫画。

歴史の闇に埋もれた英雄の真実を調べるため、監修にダンテ学者の原基晶を迎え、本邦未訳のG・サチェルドーテ版の伝記を翻訳しながら、歴史を精査し描く。

資料の収集、翻訳、分析をしながらの作画のため、現在「モーニング」にて不定期集中連載中。

『チェーザレ 破壊の創造者』惣流冬実 講談社 公式ホームページより引用

資料の収集、翻訳、分析をしながら・・・ってここがすごい!この漫画のために、未翻訳の伝記を解読しているという徹底ぶり!!もはや、娯楽漫画の域を超えて歴史書ですよね。

また、絵も非常に繊細で綺麗ですので、作中に出てくる数々の有名絵画や装飾品、建築の描写が緻密で本当に美しい!カラーページなど、ミュシャを思い出すほどです。是非、この公式ホームページの一話お試しで見てみてくださいな!

さて、みなさまはチェーザレ・ボルジアと聞いてどんなイメージを持たれますか?うめこはぼんやりと「毒殺のボルジア家」とか、ドニゼッティのオペラ『ルクレツィア・ボルジア』のお兄さんというイメージでした。いずれにせよ、歴史上、あまりポジティブなイメージを持たれてこなかった一族のようです。それを、あらたに考証しなおしていこうというのがこの作品の主旨でもあるようです。

実際、作中のチェーザレ・ボルジアは非常に魅力的です。 惣流先生と監修の原先生が読み取った新しいチェーザレ・ボルジア像は政治・宗教・文学、あらゆることに長けていて、かつ既存の固定観念に囚われず、柔軟な発想で時代を見つめていたと人物であり、それ単純な理想から描かれたキャラクター設定というものなのではなく、膨大な後書きに書かれた歴史考証からきちんと彼の行動が説明されています。ほんと、この後書きだけでも最終的に一冊本が作れてしまうのではないかと思うくらい!

正直、文学や政治談議のシーンは非常に難解なセリフが多かったり、素人は何度も読んでやっとわかる!というような取っつきにくい部分も多いですが、それを上回るぐらいのストーリーの面白さ、登場人物の魅力が詰まった作品でもあります。

これも、『ヒストリエ』と同様にとってもゆっくりペースで刊行されしますが、文献を翻訳してからの作業なので仕方ない!と思っています。

おまけ。日本史ものの漫画も

さて、なんとなくうめこのお気に入りで歴史ものでという風にチョイスしてみました・・・

最後に、おまけとして日本史系で面白かったものを付けたししますと

 
アンゴルモア 元寇合戦記 博多編 (1) (角川コミックス・エース)

アンゴルモア 元寇合戦記』(たかぎ七彦 角川書店)。めちゃくちゃ怖いモンゴル軍が日本を襲ってきた元寇(文永の役)を描いた作品です。日本史の中でも屈指の「よく乗り越えたな!」という大ピンチですよね。ちなみに、当時のモンゴル軍は世界の4分の1ほどを支配していたという規格外の強さだったそう・・・恐ろしすぎます。

 
あをによし、それもよし 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

続きましては奈良時代の奈良を描いた『あをによし、それもよし』(石川ローズ 集英社)。奈良時代にタイムスリップしてしまったミニマリストのサラリーマンが、小野妹子の孫と暮らすというゆるい歴史もの。というか、歴史ものの括りに入れてしまっていいものか・・・今回ご紹介した作品群の中では一番ゆるーく適当に楽しめます。ほどほどに当時の生活や文学等にもふれます。

今回はこのあたりで。

ではでは。

お勧め漫画はこちらも⇒絶対に読んでおくべき!教科書にしたい漫画ベスト3

 

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