銀行で何が起こっていたのか?「外貨建て保険」苦情激増のニュースについて考えてみる

こんばんは、ビビリなのでどちらかというと固定金利派のうめこです。

先月、うめこが気になったニュースです。

「外貨建て保険」苦情6年で4倍 リスク開示不十分

主に銀行窓口で販売される「外貨建て保険」をめぐり、契約者からの苦情が平成30年度に前年度比34・6%増の2543件に上ることが12日、分かった。生命保険協会が近く公表する。直近6年間で4・3倍に増え、歯止めが利かない状態だ。商品開発を担う生命保険業界と販売を受託した銀行業界の間で責任の所在があいまいになり、強引な営業活動が抑制されにくいことが背景にありそうだ。
 生保協が生保各社に実施したアンケートによると、30年度に受け付けた外貨建て保険への苦情は「元本割れの可能性を十分説明しなかった」などリスク開示が不十分というものが7割を占め、契約者の年齢は60歳以上のシニア層が大半だ。

2019.6.13 経済金融・財政 日経新聞WEBより引用

ざっくり説明しますと、「銀行窓口にて外貨建て保険が、元本割れのリスク説明が不十分な状態で販売されていた。購入者の大半は60歳以上のシニア層だった」というニュースです。

この記事を読んでみて、どんな印象を持ちましたでしょうか?

「銀行ひどい!そんな怖い商品を売ってもいいの?!」
とか、
「でも、購入者も言われるままに金融商品を買うのもねえ」
などなど、色々なご意見があると思います。

もちろん、購入者と銀行の数だけ様々な理由と状況があったでしょうから、完全に「こうだ」と決めつけることは出来ません。

しかし、その背景を知ることで、「自分ならどうしよう?」と今後の投資について考えるためのサンプルとしては丁度いい事例だとうめこは考えます。

そもそも「外貨建て保険」ってなあに?

まず、「外貨建て保険」とはどんなものでしょうか。

ある程度金融について知識のある人なら、この金融商品は「うーむ、ちょっと危険そうだね」とすぐに買うことはしないと思います。

外貨とはすまわち外国のお金ですね。
つまり、これは顧客から集めたお金を外国のお金に替えるということで「為替レート」影響を受ける金融商品であることが読み取れます。商品によってはその外貨でさらに株や投資信託を購入して運用しているケースも。その場合は「為替レート」+「運用結果」の二重の影響を受けます。

ここで、ちょっとスマホで検索してみましょう。

例えば「トルコリラ チャート」

きれいなきれいな坂道ですよね。恐ろしいですねえ。2007年には84円だったのに、今年は19円!

たぶん、三十分でも調べる時間があれば、

「外貨…恐ろしい子!」

ということはわかるんじゃないかと思うのです。しかーも、日本円を外貨に換えるのにも費用が発生するので手数料が高くなる傾向があります。

「銀行」と「保険」への行き過ぎた信頼

ここからはうめこの推測ですが、今回は60歳以上の方々が大半の契約者だったということですが、彼らにとって購入場所である「銀行」=預金であり、「預金」=元本保証というイメージが先行し、さらに「保険」という隠れ蓑を被ることによって、この金融商品が安全でお得なものであると思い込んでしまったという心理的要因があるのではないかと思います。

ここで裏話ですが、金融商品は「比較的投資知識のある顧客を抱える証券会社」で売れ残ったものが「保険会社」「銀行」へと流れ、投資知識のない方に売りつけられるという傾向にあるそうです。あくまで、噂ですが!

うめこも実は経験があるのですが、銀行で定期預金や普通預金の口座について相談をしたところ、保険商品をすすめられたことってありませんか?

銀行にとっては預金があることが証明されている安心な顧客。そして、顧客も「銀行なら安心なのかなあ。定期預金と同じみようなもん?」と、上記に書いたように銀行=預金と根拠のない信頼を抱いていると、敷居も低くなる傾向にあったんじゃないでしょうか。

販売側の義務 「適合性の原則」について

続きましては銀行側の問題について。

ここで小難しいですが、大事な言葉を。

貴方が販売業者の窓口を通して株や投資信託といった金融商品を購入するとき、

「適合性の原則」

が遵守されていなくてはなりません。

はい、「何ぞそれ?」ですよね。うめこも、最近知りました・・・

これはざっくり説明すると「金融商品を販売するとき、販売者は購入者の財産、年齢などの状況も考慮して勧めたり、販売しなくてはならないよ!」ということです。

例としては、御年80歳の人に「30年後に利子たっぷりで受け取れるよ!」という商品を売ってはダメだよ!って感じです。

もしくは、預金100万円の人に「100株120万の株を借金させてまで売りつける」のもダメ!と。

なので、今回のニュースではこの「適合性の原則」がきちんと守られていなかったため、発生した苦情であるとも言えます。中には「認知症を患う90代の女性が2千万円の豪ドル建て保険に加入し、180万円の損失が出た」 という事例もあるらしいので、これなんか完全に論外ですね。

結局、金融商品を買うときはどうしたらいいの?

まず、大事なことは最低限のことは確認することです。

固定金利なのか?変動金利なのか?(変動金利の場合は、下がっても文句は言えないよ)

手数料はいくら?(窓口で勧められる金融商品は、手数料が高い傾向にあるよ!最終的に儲けた分が手数料に消えることもふつーにあるよ)

どんな種類?上記のとおり、外貨は注意ポイントが多いよ!手数料のことはもちろんだけど、その外貨の為替レート、国の情勢などなど、しっっかり調べましょう

●買った後で急遽現金が必要になる可能性のことも考えて「解約の条件」も確認しましょう(最低○年はたたないと、解約時に元本割れすることが前提になることもあるよ!)

そもそも、あんまり金融商品について慣れていない人は

「元本は保証されますか?」

ということを真っ先に確認しましょうね。

そして、これらのことをじっくり確認するために、勧誘されたその場ですぐ契約しないことも大切ですね。むしろ、「今、この場でじゃないとだめえ!」と言われたら、怪しむぐらいの気持ちでいいと思います。

そして、銀行だから、保険だから、とむやみやたらと安心しちゃうのも止めておきましょう。銀行だって、立派な資本主義のサービス業ですからね!!ノルマもってますからね!

自分のお金、大事に大事に管理しましょう。↓こうなっちゃだめだよ!!

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